a と the について
日本語では、名詞について「数えられるもの」や「数えられないもの」などと意識することがなく、また英語の a や the に該当する単語などが付くこともありません。
a と the の文法は、簡単そうに見えるのですが、日本人がうっかりつまづきやすい文法でもあります。今日は、この a と the について詳しく説明していきます。
a や the が使われる時
名詞の前に a や the が使われるのは、その名詞が数えられる時に使います。ややこしいのは、同じ単語でも文章やシチュエーションによっては、数えられないものに該当することです。
具体的に、例文と共に見てみましょう。
I’m waiting for a bus. 「バスを待っています。」
I go to work by bus. 「バスで仕事にいきます。」
同じ「バス」でも a が使われる時と使われない時があります。
最初の「バスを待っています」では、1 台のバスを待っており、この文章からすると、毎日の習慣ではなく、その日、その時、1台のバスを待っていることになります。このようなシチュエーションから、ここではバスが「数えられる名詞」として扱われ、a が使われます。
2 つ目の文章では、仕事に行く時の交通手段について話しています。この文章では1台のバスではなく「バス全般」を示しています。そのため、この文章でのバスは「数えられない」ものとして扱われます。
a と the の違い
上記で説明したように、数えられる名詞の前には a が使われます。
さらに混乱しやすいのは、状況によっては a ではなく the が使われることもあります。a と the は、どのように使い分けることができるのでしょうか。
Can I have a cup of coffee? 「コーヒーを1杯ください」
ここで言う 「a cup of coffee」は、コーヒー1杯であれば、どんなコーヒーでも良いことになります。お店でコーヒーを注文する時には「a cup of coffee」がよく使われます。
これが a ではなく、the が使われるとどのようになるのでしょうか?
Can I have the cup of coffee?
この場合のコーヒーは、特定されたコーヒーになります。例えば、お店で注文する時に店員さんがオススメのコーヒーがあると話してくれた時に、Can I have the cup of coffee? 「そのコーヒーをもらえますか?」と注文することができます。