ネイティブの発音が間違ってる?
ある日、TED talkを聞いていたら、演説者が「the most」の部分を『’ði ‘ most』と読んでいました。
私たちは英語の発音を勉強する時に、the の発音が ði になるのは、基本的に母音の前と教わっており、most のように子音の前は普通に ðə と発音すると習っています。
おかしいと思って、もう一度聞き直してみたのですが、やはり『ði most』と言っていました。もしかしたら、この演説者はネイティブではないのかしら?と思って、経歴を調べてみたのですが、演説者はネイティブ(アメリカ人)でした。
私が知らない発音のルールがあるのではないか?と調べてみても、やはり the の発音が子音の前でも ði に変わるような文法上のルールは見つかりませんでした。
実はネイティブもルールを知らない!?
the の発音について、アメリカ人とカナダ人の英会話講師に聞いてみたのですが、返ってきた答えは ‘Well, we all change the rules. ‘ でした。つまり、ルールはあるけれど、必ずしもそれを守るわけではないそうです。
その数日後、カナダ人の友人(英会話講師ではないネイティブです)と会話をしていたら、その友人が ‘the(ði) most’ と言ったので、すかさず聞いてみました。しかし、その友だちは、母音の前に the(ði) になるルールも知りませんでした。
ネイティブでも、そんなルールがあるのか分からないと言っていますが、子音の前にthe (ði)となる時は、その部分を強調するために、ゆっくりとスピードを落としていることが多いです。
私たちも日本語のルールをよく知らない
日本で生まれ育った日本人は、日本語がネイティブです。
日本語がネイティブの私たちは、実際のところ、日本語の発音や文法をどこまで正しく理解しているのか、よく分かっていません。私たちが話す時は「発音や文法が正しいか」ではなく「自然に聞こえるか」を無意識に考えてると思います。
例えば「言う」は、そのまま読めば「いう」ですが「ゆう」と発音しても違和感がない時もあります。同様に文法でも「違わない」が正しい表現でも「違くない」と伝えても問題なく通じます。
英語を学ぶ時も、基本的な文法は知識として役に立ちますし、テスト対策には欠かせません。
しかし、資格やテスト対策ではなく、ネいティブとの英会話を目標にしている場合は、実際にネイティブが話す英語を真似して「自然な英語」を身につける方が、よりネイティブらしい英語に近付けるでしょう。
文法などの知識は、あくまでも知識、として考えておいた方が良いのかもしれません。